市販の混合種餌を主食にするなら必要なもの
タンパク質、脂肪、炭水化物 ビタミンB少し 種の餌(雑穀 あわ、ひえ、きび)など
ビタミン(ビタミンAやビタミンBなど) 野菜 特に緑黄色野菜
ビタミンD3 直射日光(窓を開けて!窓ガラス越しは期待薄 網戸OK)
カルシウムなどのミネラル ・・・ボレー粉や カトルボーン
栄養が足りていなくてもすぐさま体調を崩すわけではないし、
なんならそこそこの年齢まで
一見元気そうに生きていたりしますが、
たんぱく質・脂肪・炭水化物に加えて
ビタミンとミネラルをまんべんなくとっていたら
(野菜やカトルボーンを日常的に食べて日光浴をさせていたら)
そっちのほうがより元気で長生きになります。
総合栄養食のペレットフードは、タンパク質・脂肪・炭水化物にビタミン(ビタミンD3含め)ミネラル、全部を含むので、水とこれだけで飼うことができます。
総合栄養食ではないペレットフード(種餌に添えるための栄養補助食)も、
ペレットと表記して市販されていることがあります。 裏面をよくみましょう。
総合栄養食のペレットにはビタミンが入っていますが、ビタミンが沢山濃く入っているビタミン剤とはまた別のものです。
総合栄養食のペレットは主食としてもりもり食べたときに栄養バランスがちょうどいいように設計されています。
主食の70%以上がペレットなら、野菜を全く食べていなくてもビタミン不足にはならないかもしれません。
それ以下の割合では、ちょっとつまむくらいで他に野菜を食べていないと、ビタミンは足りてはいません。
カルシウムの吸収を調節するビタミンDは、日光浴で体内でつくれますが、
穀物食や果実食の鳥が日常的に食べるものには、ビタミンD (D2とD3) が含まれません。
鳥用の総合栄養食(ペレットフード)や総合ビタミン剤からは、ビタミンD3をとることができます。
一般的なビタミンD
ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)・・キノコ類(しいたけとか)酵母に入っている 1)。
ただし鳥は利用できない 2)。
ビタミンD3(コレカルシフェロール)・・・動物性食品(魚とか卵)に入っている 1)。
紫外線(UV-B)をあびると、尾脂腺でプレビタミンD3が
合成される。これが羽繕いで口に入り、肝臓でビタミンD3
となる2)。
1)七訂食品成分表2018,香川明夫監修, pp.63,女子栄養大学出版部,2018
2)Current Therapy in Avian Medicine and Surgery, In: Speer B.L. ed. pp.382. ELSEVIER 2016
紫外線には、波長の異なるA,B,Cの3つ(UV-A,UV-B,UB-C)があり、
このうち、ビタミンD3を合成するのはUV-Bです。
UV-Bは窓ガラスを通過する際、大半がカットされるので、窓ガラス越しではビタミンD3はつくられません。
UVカットではない普通の窓ガラスであっても、UV-Bはカットされます。
体重の10~20%の食餌というのが、食餌量を考えるとき、目安になります。
しかし、あくまで目安でしかありません。
小鳥には一日に体重の10%の餌をあげておけば大丈夫!というのは、
人間で例えると、10代後半で体育会系部活を毎日している人と、40代デスクワーク中心の生活で特に運動はしていない人に、同じ体重で同じ身長だから、同じ内容のご飯で大丈夫!といっているようなものです。
食べ過ぎを防いで健康を維持するために、ヒトが食餌量を管理する必要がある鳥がいます。
逆に、食べ放題にしていても特に問題が起こらない鳥もいます。
飼育下の鳥は、餌を探す必要がないので、基本的にとても暇です。
そのため、常に沢山の餌がケージの中においてあると、
暇な時間をずっと餌を食べることに費やしてしまって、食べ過ぎてしまうことがあります。
そして結果として、肥満から脂肪肝になったり、過剰に発情したりと、様々な問題が起こります。
この場合、体重測定と、餌量の計量と管理は、健康維持に必須です。
適切な食餌量は、個体によって差があります。
食餌への執着の度合い(あまり餌に興味が無かったり、ご家族が不在だと餌を食べなかったり)や、
運動量の多い少ないによって、
また、同一の個体でも、季節(夏よりは冬の方が痩せやすい)や体調(換羽の有無)によって、微妙な差が出ます。